



出演:佐藤忠男、秦早穗子、イム・グォンテク、シャージ・N・カルン ほか
©GROUP GENDAI FILMS CO., LTD.
製作・配給:グループ現代 宣伝:スリーピン
デザイン:仁木順平 WEB制作:古谷里美
英題:Journey Into SATO TADAO
佐藤忠男写真©朝日新聞社
予告動画
イントロダクション




佐藤忠男
SATO TADAO
監督

寺崎 みずほ
1985年、神奈川県川崎市生まれ。桜美林大学英米文学科卒業後、日本映画学校入学。2010年、映画学校卒業後、映像制作会社グループ現代で働く。NHKの番組や文化庁のフィルム制作事業などの助手を経て、2015年NHKのセルフドキュメンタリー『極私的ドキュメンタリー にっぽんリアル』でディレクターデビュー。以後、NHK『ハートネットTV』など、介護や福祉の番組ディレクターを担当している。長編映画の監督は本作が初となる。
- 2014年
- 文化庁『平成25年度工業技術記録映画 細川紙』演出助手
- 2015年
- NHK『極私的ドキュメンタリー にっぽんリアル 私とおさなじみ』演出
小学館 教育ビデオライブラリー『中国高校生日本語作文コンクール』演出 - 2016年
- NHK大河ドラマ紀行『真田丸紀行』演出
- 2017年以降
- NHK「ハートネットTV 介護百人一首」
「きょうの料理ビギナーズ」などを演出

スタッフ
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撮影
大久保 千津奈
Chizuna OKUBO(JSC)徳島県出身。制作会社の技術部に所属し、カメラマンとして活動後、フリーランスとなり、ドキュメンタリー映画『祝の島』『ある精肉店のはなし』『戦場ぬ止み』などに撮影で参加。
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録音
姫井 信二
Shinji HIMEI(録音)北海道出身。主にNHKの番組に、録音として参加。『スペイン語会話〜テレビでスペイン語〜旅するスペイン語」『プロフェッショナル仕事の流儀』『サラメシ』『にっぽん縦断こころ旅』など。
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編集
遠山 慎二
Shinji TOYAMA(編集)1981年、高知県四万十市出身。2003年日本映画学校(現日本映画大学)卒業後、教育映像・ドキュメンタリー映画・映画予告篇などに携わる。主な編集作品に『Cu-bop across the border』『THE FOOLS 愚か者たちの歌』『石川文洋を旅する』『島にて』『ケアを紡いで』『二十歳の息子』などがある。
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プロデューサー
川井田 博幸
Hiroyuki KAWAIDA(グループ現代)1954年、福岡県出身。劇場公開された主なプロデュース作品として、『ノーサレンダー - 自分にたどり着くまで』『HIBAKUSHA(ヒバクシャ) - 世界の終わりに』『小梅姐さん』『まちや紳士録』『風のなかで』『人情噺の福団治』『抗い - 記録作家 林えいだい』『馬ありて』『標的』など。


劇場情報



本作品は2025/11/1(土)より『UDCast』方式による音声ガイド、日本語字幕に対応いたします。
※アプリをダウンロード後は、ご鑑賞の前に必ず動作確認をお願いします。
※使い方はこちらからご確認ください
音声ガイドについて
『UDCast』アプリをインストールしたスマートフォン等の携帯端末に、作品のデータをダウンロードして、イヤホンを接続してお持ちいただければ、全ての上映劇場・上映回にて音声ガイド付きでお楽しみいただけます。
日本語字幕について
スクリーンに字幕を表示する【日本語字幕付き上映】は、一部劇場にて期間限定で上映予定です。
※上映劇場・スケジュールは、当ページ下部の【劇場情報】に決定次第、掲載予定です。
※また、『UDCast』アプリをインストールした字幕表示用のメガネ型端末に、作品のデータをダウンロードして、専用マイクを付けてお持ちいただければ、全ての上映劇場・上映回にて字幕ガイドをご利用いただけます。また、貸し出し用の字幕タブレットをご用意している劇場がございます。
一部劇場にてスマートフォン等の携帯端末用での字幕利用も可能です。対応劇場については、こちらをご確認ください。なお、画面の点灯等により他のお客さまの鑑賞の妨げにならないようにご注意ください。
劇場イベント情報
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2025年11月1日(土)新宿|K's cinema
10:00の回上映後 初日舞台挨拶
ゲスト:林友実子さん(出演者・佐藤忠男の姪)、寺崎みずほ監督 -
2025年11月2日(日)新宿|K's cinema
10:00の回上映後 トークショー
ゲスト:根矢涼香さん(女優)、寺崎みずほ監督 -
2025年11月8日(土)新宿|K's cinema
10:00の回上映後 トークショー
ゲスト:石坂健治さん(出演者・東京国際映画祭シニア・プログラマー)、寺崎みずほ監督 -
2025年11月11日(火)新宿|K's cinema
10:00の回上映後 トークショー
ゲスト:澤登翠さん(活動弁士)、寺崎みずほ監督 -
2025年11月9日(日)新宿|K's cinema
10:00の回上映後 トークショー
ゲスト:小栗康平さん(映画監督)、寺崎みずほ監督 -
2025年11月15日(土)新宿|K's cinema
10:00の回上映後 トークショー
ゲスト:市山尚三さん(東京国際映画祭プログラミング・ディレクター)、寺崎みずほ監督 -
2025年11月16日(日)新宿|K's cinema
10:00の回上映後 トークショー
ゲスト:松岡環さん(アジア映画研究者)、寺崎みずほ監督 -
2025年11月21日(金)新宿|K's cinema
10:00の回上映後 トークショー
ゲスト:成川彩さん(韓国在住文化系ライター・本作韓国ロケ コーディネーター)、寺崎みずほ監督 - ※登壇者は予告なく変更になる可能性がございます。
| 地域 | 劇場 | 電話番号 | 公開日 |
|---|---|---|---|
| 東京都新宿区 | K's cinema | 03-3352-2471 | 2025年11月1日(土)~ |
| 長野県上田市 | 上田映劇 | 0268-22-0269 | 2025年11月21日(金)~ |
| 大分県大分市 | シネマ5 | 097-536-4512 | 2025年11月29日(土)~ |
| 神奈川県川崎市 | 川崎市アートセンター | 044-955-0107 | 2025年12月6日(土)~ |
| 愛知県名古屋市 | シネマスコーレ | 052-452-6036 | 2025年12月13日(土)~ |
| 大阪府大阪市 | 第七藝術劇場 | 06-6302-2073 | 2025年12月13日(土)~ |
| 京都府京都市 | アップリンク京都 | 075-600-7890 | 2025年12月19日(土)~ |
| 新潟県新潟市 | 市民映画館 シネ・ウインド | 025-243-5530 | 2026年1月10日(土)~ |
| 神奈川県横浜市 | 横浜シネマリン | 045-341-3180 | 2026年1月10日(土)~ |
| 北海道札幌市 | シアターキノ | 011-231-9355 | 2026年1月16日(金) |
| 沖縄県那覇市 | 桜坂劇場 | 098-860-9555 | 2026年1月17日(土)~ |
| 大阪府大阪市 | 第七藝術劇場 | 06-6302-2073 | 近日公開 |
| 新潟県上越市 | 高田世界館 | 025-520-7626 | 近日公開 |







コメント
佐藤忠男さんとの交流は、夫・大島渚のデビュー作『愛と希望の街』から始まりました。久子さんともども、仲良くさせて頂きました。佐藤さんの日本映画への貢献は、計り知れないものがあると思います。そんな佐藤さんが、こんなにアジア映画にはまっていたとは。『魔法使いのおじいさん』、私も観たい!
五十年前、長崎の原爆資料館で見つけて読んだ佐藤さんの古い著書『戦争はなぜ起こるか』が忘れられない。観て書いて考えて旅をする人生の根底に、「なぜ?」と問い、考えつづける姿勢があったと思う。
映画という大衆文化の核心に触れ、覚醒し、背筋が伸びる思いです。
評論家とは、己の感性に責任を負った観察者の愛情なのだ。星の数を争うレビューや、愛なき批評によって心にこびり付いてしまった錆を、サラサラと削ぎ落としてくれる。
これは映画に関わって生きている者たち、そして映画ファン、そしてまた映画に興味のない者たち、すべての人間が観るべき静かなる名画。現代人の心の薬だ。
佐藤忠男さんは映画を論じるだけではなく、自らの足を使い、未知の映画との出会いを求め続け、感応し、伝えてきたかたなのだと知る。
今まではっきりと知らなかった。恥ずかしい。
映画を観るとは、自分の好みに合うものを探すものではなく、他者を知り、知っていると思っていた自分をもう一度知る行為だ。
見渡せばあちらこちら分断だらけの世の中で、知ることでしか分断は消えない。そう佐藤さんが教えてくれた気がする。
佐藤忠男はアラビンダンの『魔法使いのおじいさん』が大好きだったが、彼は魔法使いでもおじいさんでもない。真面目で率直な映画評論家だった。若いころ、国鉄労働者の日々の慰めとして映画に自分を託し、その感想を「キネマ旬報」に投稿することから評論家の道に入った。学位もなければ、依拠すべき高尚な方法論もない。すべてが手造りで、だからこそ人間の手の痕跡がはっきりと残っている。民主主義者である彼は、映画評論はけっして暖衣飽食の青年の道楽であってはならないという真理を、身をもって証明した。
わたしは個々のフィルムの評価をめぐって、佐藤さんとは多くの点で対立した。にもかかわらず、彼はわたしの書物が出るたびに、何回も書評をしてくれた。日本のアジア映画研究が全体としてレベルアップすればいいというのが、彼の無私なる姿勢の根拠だった。
「アジア映画」の概念を日本に定着させてくれた佐藤忠男氏。
アラヴィンダン監督の『魔法使いのおじいさん』を見ると、無口なお二人が笑み交わしていたインドの映画祭を思い出す。
「♪クンマッティ!」の歌は天国でも響いているだろうか。
正統な評伝が始まるのかと思いきや、さにあらず。
稀代の映画評論家をめぐる旅は時空を超え、理想郷や原点を求めて自由に飛躍する。
そこにドキュメンタリー特有の“毒気”を含んでいるところに、監督の意地を見た。
おそらく忠男さんは天国で「寺崎君、良かったよ」と笑っているのではないか?
映画を迎えに、自分の足で旅に出る。その行為に情熱を注ぐ佐藤忠男自身が、吹き抜けていく風そのもののようだ。ご本人の放つ言葉のように、そっと包み背中を押してくれる。その風は、今も世界を歩いている。
深い!インドの映画文化をこんな角度から紐解いていった記録は過去になかったかもしれません。映画史に造詣のない私でも佐藤忠男氏が観たインドと、監督が思いを馳せ取材したインドケララ州の印象に、改めてこの映画作りへの情熱に感銘を受けました。
旅する姿が何よりも強く印象に残る本作の佐藤忠男は、良い映画に出会い、広めるために旅に出かけた。そしてまた多くの映画人たちをも旅へと誘い、心から歓待したという。
自宅のPCからいとも容易く映画と繋がり拡散できる今、現代なりの映画との“出会い”を私たちは探している。
この映画を見ていると、画面から何か揺るぎ無い力が伝わってくるのを感じました。それは何なのか、映画を真直ぐに作ろうとする監督の強い意志が漲っているからなのでしょうか。この映画は、正に、『佐藤忠男、映画の旅』そのものです。必見の映画です。