佐藤忠男、映画の旅佐藤忠男、映画の旅佐藤忠男、映画の旅

12.20[土]より新宿K’s cinemaほかにて全国順次公開12.20[土]より新宿K’s cinemaほかにて全国順次公開12.20[土]より新宿K’s cinemaほかにて全国順次公開
監督:寺崎みずほ
撮影:大久保千津奈(JSC) 録音:姫井信二 編集:遠山慎二 プロデューサー:川井田博幸
  出演:佐藤忠男、秦早穗子、イム・グォンテク、シャージ・N・カルン ほか
2025年/日本/ 98分/カラー/DCP/ステレオ
 ©GROUP GENDAI FILMS CO., LTD.
製作・配給:グループ現代 宣伝:スリーピン 
デザイン:仁木順平 WEB制作:古谷里美
英題:Journey Into SATO TADAO
佐藤忠男写真©朝日新聞社

EVENT

予告動画

イントロダクション

映画評論家、佐藤忠男、「映画」で世界を変えようとした男がいた─日本で初めて、ひとりの映画評論家に迫ったドキュメンタリーが誕生
日本を代表する映画評論家、佐藤忠男。独学で映画評論の道を拓き、60年にわたる批評人生で日本映画史を体系化した功績、そして後年、ライフワークとしてアジア映画を発掘し、日本に先駆的に紹介した功績から、日本におけるアジア映画研究の第一人者として知られる。アジアとの映画交流や後進の育成にも尽力し、韓国、フランス、モンゴル、ベトナムなどから勲章を授与した唯一無二の存在である。庶民の目線から多岐に論じ、150冊を超す著作を有する映画評論の巨人をアジアへと突き動かすものは果たして何だったのか? 2022年に91歳で逝去した佐藤忠男が映画を通して夢見た世界を探る。
佐藤忠男が開いたアジア映画の芳醇な世界の源泉を探るため教え子が、韓国、南インドにカメラを抱え旅立つ
佐藤が学長を務めた日本映画学校(現日本映画大学)で教え子であった寺崎みずほが、カメラを手に2019年より密着。少年期の戦争経験、映画を通して受けたカルチャーショック、映画への憧れ、映画人生の長い道のりをともに歩いた最愛の妻・久子との出会い。そして1万本を優に超す映画を鑑賞した彼が「『東京物語』と比肩するくらい世界で一番好きな映画」と言い残した1本のインド映画『魔法使いのおじいさん』への想い……韓国映画界の巨匠イム・グォンテク監督や韓国ニューウェーブを代表するイ・ジャンホ監督をはじめ、親交のあったアジアの映画関係者の証言から人物像を紐解くとともに、佐藤の“たからもの”を探しに、韓国、そして南インドのケーララ州へと旅に出た。生涯、一途に映画を愛し続けた映画の伝道師が私たちに残したメッセージとは? 日本で初めて、ひとりの映画評論家に迫ったドキュメンタリーが誕生した。
佐藤忠男とは?
佐藤忠男

佐藤忠男
SATO TADAO

1930年、新潟市生まれ。戦時中、予科練の訓練生として敗戦を迎える。鉄⼯所や電電公社などで働く傍ら、新潟市立工業高校定時制を卒業。合間に読書や映画に明け暮れ、映画雑誌に意欲的に投稿、24歳で初の著書を上梓した。以後、映画を中心に、大衆文化、教育など、幅広い分野で執筆活動を展開。著書は150冊を超える。平明な表現の鋭い問題提起を含んだ評論と国際交流の功績が認められ、2019 年には映画評論家として初めて⽂化功労者に選出された。“SATO TADAO"の名は世界に知れわたり、国外でも高い評価を受けている。2022年3月17日、胆のうがんのため91歳で死去。

監督

寺崎 みずほ

寺崎 みずほ

Mizuho TERASAKI

1985年、神奈川県川崎市生まれ。桜美林大学英米文学科卒業後、日本映画学校入学。2010年、映画学校卒業後、映像制作会社グループ現代で働く。NHKの番組や文化庁のフィルム制作事業などの助手を経て、2015年NHKのセルフドキュメンタリー『極私的ドキュメンタリー にっぽんリアル』でディレクターデビュー。以後、NHK『ハートネットTV』など、介護や福祉の番組ディレクターを担当している。長編映画の監督は本作が初となる。

2014年
文化庁『平成25年度工業技術記録映画 細川紙』演出助手
2015年
NHK『極私的ドキュメンタリー にっぽんリアル 私とおさなじみ』演出
小学館 教育ビデオライブラリー『中国高校生日本語作文コンクール』演出
2016年
NHK大河ドラマ紀行『真田丸紀行』演出
2017年以降
NHK「ハートネットTV 介護百人一首」
「きょうの料理ビギナーズ」などを演出

監督メッセージ

「なぜいま、佐藤忠男を追うのか?」「なぜいま、映画評論家なのか?」
2019年の夏、佐藤さんを撮影しはじめたころから自問していた。
どうしてカメラを回したか。佐藤さんとの対話、著書を読むなど、彼の言葉に触れると、映画に対するみずみずしい気持ちが湧き出てきた。さらに、生きていくこと自体にも活力をもたらされる気分にもなった。そういった類のパワーを持つ佐藤さんに非常に興味をひかれた。佐藤さんが生涯を通して強く持ち続けた反骨精神、情熱、好奇心、胆力がそのパワーの源となり、私に影響を与えたのだと思う。
私は今回、映画を愛し続けた佐藤忠男の人生の一部を、アジア映画との対話をテーマに描けないか試みた。佐藤さんが夢中になって追いかけていた時代のアジアとは違うだろう。日本も違ってきている。けれど、佐藤さんの愛した映画を追いかけることは、苦難と喜びをもって生きること、それがいかに大事なことかを、語っているのではないだろうか。
映画が大好きな人と一緒に、佐藤忠男さんの言葉と人生に触れて、各々の佐藤忠男論や映画愛を語りあえるきっかけになったらうれしいです。

スタッフ

  • 撮影

    大久保 千津奈
    Chizuna OKUBO(JSC)

    徳島県出身。制作会社の技術部に所属し、カメラマンとして活動後、フリーランスとなり、ドキュメンタリー映画『祝の島』『ある精肉店のはなし』『戦場ぬ止み』などに撮影で参加。

  • 録音

    姫井 信二
    Shinji HIMEI(録音)

    北海道出身。主にNHKの番組に、録音として参加。『スペイン語会話〜テレビでスペイン語〜旅するスペイン語」『プロフェッショナル仕事の流儀』『サラメシ』『にっぽん縦断こころ旅』など。

  • 編集

    遠山 慎二
    Shinji TOYAMA(編集)

    1981年、高知県四万十市出身。2003年日本映画学校(現日本映画大学)卒業後、教育映像・ドキュメンタリー映画・映画予告篇などに携わる。主な編集作品に『Cu-bop across the border』『THE FOOLS 愚か者たちの歌』『石川文洋を旅する』『島にて』『ケアを紡いで』『二十歳の息子』などがある。

  • プロデューサー

    川井田 博幸
    Hiroyuki KAWAIDA(グループ現代)

    1954年、福岡県出身。劇場公開された主なプロデュース作品として、『ノーサレンダー - 自分にたどり着くまで』『HIBAKUSHA(ヒバクシャ) - 世界の終わりに』『小梅姐さん』『まちや紳士録』『風のなかで』『人情噺の福団治』『抗い - 記録作家 林えいだい』『馬ありて』『標的』など。

コメント

敬称略
  • 佐藤忠男さんとの交流は、夫・大島渚のデビュー作『愛と希望の街』から始まりました。久子さんともども、仲良くさせて頂きました。佐藤さんの日本映画への貢献は、計り知れないものがあると思います。そんな佐藤さんが、こんなにアジア映画にはまっていたとは。『魔法使いのおじいさん』、私も観たい!

    小山明子(俳優)
  • 五十年前、長崎の原爆資料館で見つけて読んだ佐藤さんの古い著書『戦争はなぜ起こるか』が忘れられない。観て書いて考えて旅をする人生の根底に、「なぜ?」と問い、考えつづける姿勢があったと思う。

    斎藤真理子(韓国語翻訳者)
  • 映画という大衆文化の核心に触れ、覚醒し、背筋が伸びる思いです。
    評論家とは、己の感性に責任を負った観察者の愛情なのだ。星の数を争うレビューや、愛なき批評によって心にこびり付いてしまった錆を、サラサラと削ぎ落としてくれる。
    これは映画に関わって生きている者たち、そして映画ファン、そしてまた映画に興味のない者たち、すべての人間が観るべき静かなる名画。現代人の心の薬だ。

    三池崇史(映画監督)
  • 佐藤忠男さんは映画を論じるだけではなく、自らの足を使い、未知の映画との出会いを求め続け、感応し、伝えてきたかたなのだと知る。
    今まではっきりと知らなかった。恥ずかしい。
    映画を観るとは、自分の好みに合うものを探すものではなく、他者を知り、知っていると思っていた自分をもう一度知る行為だ。
    見渡せばあちらこちら分断だらけの世の中で、知ることでしか分断は消えない。そう佐藤さんが教えてくれた気がする。

    横浜聡子(映画監督)
  • 佐藤忠男はアラビンダンの『魔法使いのおじいさん』が大好きだったが、彼は魔法使いでもおじいさんでもない。真面目で率直な映画評論家だった。若いころ、国鉄労働者の日々の慰めとして映画に自分を託し、その感想を「キネマ旬報」に投稿することから評論家の道に入った。学位もなければ、依拠すべき高尚な方法論もない。すべてが手造りで、だからこそ人間の手の痕跡がはっきりと残っている。民主主義者である彼は、映画評論はけっして暖衣飽食の青年の道楽であってはならないという真理を、身をもって証明した。
    わたしは個々のフィルムの評価をめぐって、佐藤さんとは多くの点で対立した。にもかかわらず、彼はわたしの書物が出るたびに、何回も書評をしてくれた。日本のアジア映画研究が全体としてレベルアップすればいいというのが、彼の無私なる姿勢の根拠だった。

    四方田犬彦(比較文学・映画誌研究)
  • 「アジア映画」の概念を日本に定着させてくれた佐藤忠男氏。
    アラヴィンダン監督の『魔法使いのおじいさん』を見ると、無口なお二人が笑み交わしていたインドの映画祭を思い出す。
    「♪クンマッティ!」の歌は天国でも響いているだろうか。

    松岡環(アジア映画研究者)
  • 正統な評伝が始まるのかと思いきや、さにあらず。
    稀代の映画評論家をめぐる旅は時空を超え、理想郷や原点を求めて自由に飛躍する。
    そこにドキュメンタリー特有の“毒気”を含んでいるところに、監督の意地を見た。
    おそらく忠男さんは天国で「寺崎君、良かったよ」と笑っているのではないか?

    佐藤寛朗(東京ドキュメンタリー映画祭プログラマー)
  • 映画を迎えに、自分の足で旅に出る。その行為に情熱を注ぐ佐藤忠男自身が、吹き抜けていく風そのもののようだ。ご本人の放つ言葉のように、そっと包み背中を押してくれる。その風は、今も世界を歩いている。

    根矢涼香(俳優)
  • 深い!インドの映画文化をこんな角度から紐解いていった記録は過去になかったかもしれません。映画史に造詣のない私でも佐藤忠男氏が観たインドと、監督が思いを馳せ取材したインドケララ州の印象に、改めてこの映画作りへの情熱に感銘を受けました。

    ナイル善己(銀座ナイルレストラン三代目店主)
  • 旅する姿が何よりも強く印象に残る本作の佐藤忠男は、良い映画に出会い、広めるために旅に出かけた。そしてまた多くの映画人たちをも旅へと誘い、心から歓待したという。
    自宅のPCからいとも容易く映画と繋がり拡散できる今、現代なりの映画との“出会い”を私たちは探している。

    降矢聡(映画配給/グッチーズ・フリースクール)
  • この映画を見ていると、画面から何か揺るぎ無い力が伝わってくるのを感じました。それは何なのか、映画を真直ぐに作ろうとする監督の強い意志が漲っているからなのでしょうか。この映画は、正に、『佐藤忠男、映画の旅』そのものです。必見の映画です。

    堀田泰寛(キャメラマン)

劇場情報

2025年11月1日(土)新宿K’s cinemaより全国順次公開
劇場窓口にて前売り券発売予定劇場窓口にて前売り券発売予定
本作品は2025/11/1(土)より『UDCast』方式による音声ガイド、日本語字幕に対応いたします。

本作品は2025/11/1(土)より『UDCast』方式による音声ガイド、日本語字幕に対応いたします。

※アプリをダウンロード後は、ご鑑賞の前に必ず動作確認をお願いします。
※使い方はこちらからご確認ください

音声ガイドについて

『UDCast』アプリをインストールしたスマートフォン等の携帯端末に、作品のデータをダウンロードして、イヤホンを接続してお持ちいただければ、全ての上映劇場・上映回にて音声ガイド付きでお楽しみいただけます。

日本語字幕について

スクリーンに字幕を表示する【日本語字幕付き上映】は、一部劇場にて期間限定で上映予定です。
※上映劇場・スケジュールは、当ページ下部の【劇場情報】に決定次第、掲載予定です。
※また、『UDCast』アプリをインストールした字幕表示用のメガネ型端末に、作品のデータをダウンロードして、専用マイクを付けてお持ちいただければ、全ての上映劇場・上映回にて字幕ガイドをご利用いただけます。また、貸し出し用の字幕タブレットをご用意している劇場がございます。
一部劇場にてスマートフォン等の携帯端末用での字幕利用も可能です。対応劇場については、こちらをご確認ください。なお、画面の点灯等により他のお客さまの鑑賞の妨げにならないようにご注意ください。

劇場イベント情報


  • 2025年11月1日(土)新宿|K's cinema
    10:00の回上映後 初日舞台挨拶
    ゲスト:林友実子さん(出演者・佐藤忠男の姪)、寺崎みずほ監督


    • 2025年11月2日(日)新宿|K's cinema
      10:00の回上映後 トークショー
      ゲスト:根矢涼香さん(女優)、寺崎みずほ監督


      • 2025年11月8日(土)新宿|K's cinema
        10:00の回上映後 トークショー
        ゲスト:石坂健治さん(出演者・東京国際映画祭シニア・プログラマー)、寺崎みずほ監督


        • 2025年11月11日(火)新宿|K's cinema
          10:00の回上映後 トークショー
          ゲスト:澤登翠さん(活動弁士)、寺崎みずほ監督


          • 2025年11月9日(日)新宿|K's cinema
            10:00の回上映後 トークショー
            ゲスト:小栗康平さん(映画監督)、寺崎みずほ監督


            • 2025年11月15日(土)新宿|K's cinema
              10:00の回上映後 トークショー
              ゲスト:市山尚三さん(東京国際映画祭プログラミング・ディレクター)、寺崎みずほ監督


              • 2025年11月16日(日)新宿|K's cinema
                10:00の回上映後 トークショー
                ゲスト:松岡環さん(アジア映画研究者)、寺崎みずほ監督


                • 2025年11月21日(金)新宿|K's cinema
                  10:00の回上映後 トークショー
                  ゲスト:成川彩さん(韓国在住文化系ライター・本作韓国ロケ コーディネーター)、寺崎みずほ監督


                  • ※登壇者は予告なく変更になる可能性がございます。

2025年9月19日現在
地域 劇場 電話番号 公開日
東京都新宿区 K's cinema 03-3352-2471 2025年11月1日(土)~
長野県上田市 上田映劇 0268-22-0269 2025年11月21日(金)~
大分県大分市 シネマ5 097-536-4512 2025年11月29日(土)~
神奈川県川崎市 川崎市アートセンター 044-955-0107 2025年12月6日(土)~
愛知県名古屋市 シネマスコーレ 052-452-6036 2025年12月13日(土)~
大阪府大阪市 第七藝術劇場 06-6302-2073 2025年12月13日(土)~
京都府京都市 アップリンク京都 075-600-7890 2025年12月19日(土)~
新潟県新潟市 市民映画館 シネ・ウインド 025-243-5530 2026年1月10日(土)~
神奈川県横浜市 横浜シネマリン 045-341-3180 2026年1月10日(土)~
北海道札幌市 シアターキノ 011-231-9355 2026年1月16日(金)
沖縄県那覇市 桜坂劇場 098-860-9555 2026年1月17日(土)~
大阪府大阪市 第七藝術劇場 06-6302-2073 近日公開
新潟県上越市 高田世界館 025-520-7626 近日公開
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